モロッコに住む日本人の現地コラム  vol.46

皆さまこんにちは!
モロッコ現地からフレッシュなコラムが届きました♪
今回はどんな情報なのかドキドキ(o´艸`)
さてさて、始まります!
 
 
 
 

【 ラマダン2020、始まる! 】

 
こんにちは、モロッコ在住のユキです。
 
現在、ラマダン真っ最中のモロッコ 。
ラマダンというと、皆さんはどんなイメージが頭に浮かびますか?
 
 

 
 
モスクでお祈りをする大勢の人々、でしょうか?
飲まず食わずで、ひたすら耐える苦行、でしょうか?
 
ムスリムの少ない日本では、ラマダンという言葉はなんとなく知っていても、実際のところはよくわからない人も多いのではないでしょうか。
今回のコラムではモロッコにおけるラマダンと、異例だらけの今年のラマダンについてお伝えしたいと思います。
 
 
 
 
 

【 そもそも、ラマダンって何? 】

 
ラマダンというと「断食」というイメージが強い人も多いでしょう。
 
でもラマダンという言葉そのものは、断食を表すものではありません。
イスラム暦における第九月のことを「ラマダン」と呼んでいます。
 
 

 
 
イスラム教徒にとって、ラマダンとは1年の中で最も尊い神聖な月。
ラマダンは「すべての人に優しくあるべき月」とされており、この期間に行われた善い行いは、神様から普段より高く評価してもらえると言われています。
 
「断食」も、その中のうちのひとつ。
断食をする人々は「飢えている人の苦しみを理解する」とともに「欲を抑えることで自制心を養う」ために、自分と戦っているのです。
 
 

 
 
とは言え、1ヶ月のラマダン期間のずーっと断食するわけではありません。
 
断食をするのは、朝のお祈りから夕方のお祈りまでの時間。
今の時期だと、朝の4時前後から夕方の7時前後になります。
 
ラマダンをしてよいのは健康な人のみとされていて、病気の人やお年寄り、妊婦の人は断食はしません。
また、生理中の女性も断食が免除されています。
 
 
 
 
 

【 始まりと終わりは、月で決まる!? 】

 
新月を確認したら、ラマダンスタート。
しかしこの「新月を確認したら」っていうのがなかなか厄介で、事前にラマダンがいつ始まるかは誰もわかりません。
 
 

 
 
実際、けっこうギリギリに知らされます。
どれくらいギリギリかっていうと、2、3日前にやっとお知らせが来るぐらいのギリギリ感です。
 
で、今年はというと・・・、やっぱり2日前でした。
 
4/23の夜のこと。
「ラマダンは4/24からスタート」とニュースで流れている中、モロッコは情報なし。
「やっぱ明日からなのかな、早起きしないといけないかな」とソワソワしていたところ、
モロッコ人の夫がFacebookを見ながら「モロッコは明後日からだってさー」と。
最近はFacebookでラマダンのスタートを確認する人が多いようです。
 
そんなこんなで結局、2020年のモロッコのラマダンは4月25日から始まりました。
予想よりも1日伸びて「あれぇ」と肩透かしを喰らってしまったラマダンスタートでした。
 
 
 
 
 

【 ラマダン2020 inモロッコ 】

 
今年はご存じの通りコロナウイルスの流行で、異例中の異例のラマダンになっています。
どれだけ異例なのかをお伝えするために、「いつものラマダン」と「今年のラマダン」を比較しながらご紹介しますね。
 
1. お祈り
<いつものラマダン>
ムスリムは一日5回のお祈りが義務付けられています。
ラマダン期間は普段あまりお祈りをしない人でも、きっちり5回のお祈りをする人がほとんど。
 
 

 
 
さらに、ラマダンではモスクまで足を運び、集団礼拝に参加する人も多くなります。
人が集まりすぎて、モスクから人が溢れかえっているのもよく見かける光景。
せっかくモスクに来たのに入れなくて、外でお祈りしている人の姿も珍しくありません。
 
<今年のラマダン>
モスクはぜーんぶ閉鎖!
ラマダンの風物詩だった集団礼拝も、もちろん中止。
 
ちなみにモスクが閉まるのは、今までのラマダンの歴史の中で「初!」だそうです。
もしかすると私たち、歴史的な瞬間に立ち合わせているのかもしれません。
 
 

 
 
2. 食事
<いつものラマダン>
断食後、最初に食べる食事のことを「フトール」と呼びます。
フトールは家族で一緒にとることが普通なので、断食明けの時間帯になるとほとんどの人が自宅に帰ります。
 
「フトール」とは、朝食という意味の言葉。
実際にフトールで用意される食事も、パンやフルーツなどの朝食っぽいメニューが中心です。
 
 

 
 
特に欠かせないメニューが「ハリラ」というスープと、デーツ(なつめやし)!
栄養満点のスープとデーツが、空腹の胃を癒してくれます。
 
 

 
 
<今年のラマダン>
異例づくしの今年のラマダンでも、フトールには特に影響はありません。
我が家でも、いつも通りのハリラスープとデーツ、フルーツジュースを用意しています。
 
ただ、食材の買い出し事情には変化あり。
日本より外出制限が厳しいモロッコでは、各家庭に1枚ずつ配布されている外出許可証がないと買い物に行けません。
 
「家族一緒にスーパーでお買い物」は当然、無理です。
代わりに、夫が一人で全部買い出しをしています。
なんでもないようなことが、幸せだったとおもーう・・・。
まさに、これ。
 
3. 生活時間帯
<いつものラマダン>
ラマダン中は、ビジネスアワーも変更になります。
官公庁も含めて、午前中のみ、あるいは午後3〜4時には閉まってしまうところがほとんど。
 
働く人も当然断食中なので、仕事にも集中していない感じ(笑)
 
 

 
 
<今年のラマダン>
生活インフラに関わる業種や、生活必需品を扱う業種以外はすべて休業中。
そのため、大半のモロッコ人は仕事が休み(もしくは失業)で、暇を持て余していると思われます。
 
 

 
 
仕事がなければいつ起きてもOKなわけですから、完全に昼夜逆転になっている人も。
うちの夫も例に漏れず、ネトフリ廃人でバッチリ昼夜逆転しています(笑)
 
 
 
 
 

【 最後に 】

 
5月20日までの外出制限が決定しているモロッコ(2020年4月末現在)。
今年のラマダンは、STAY HOMEで過ごす異例のラマダンになりそうです。
 
先の見えない状況で苦しいですが、日本の皆さんもどうかストレスなくお過ごしくださいね。
 
 
 
【ユキ】
 
 

 
 
 
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