こんにちは、びっくりカーテンです!
さっそくですが、今回は革製品にできたシミを、モロッコ出身のスタッフに消してもらったお話。
びっくりカーテンで販売しているメインアイテムはもちろんカーテンですが、
世界の雑貨品もたくさん取り揃えています。
その中だと、革を使っているのはモロッコのバブーシュやプフ。
ご存知のとおり、革製品は水分に弱いもの。
特に塗装をせずに自然な色をしているものだと、湿気や皮脂、家具などの油分を吸い込みやすい傾向にあります。
先日、びっくりカーテンスタッフの私物のプフが、突然シミだらけになってしまった事件がありました。
気に入って使っていたもので、相当ショックだったそう。
プフの故郷・モロッコ出身のスタッフに話したところ、「まかせろ!」と意気込み、オイルで色調を整えて蘇らせてくれました。
物珍しくて、コーティングの様子とビフォー・アフターの写真を撮ったので、
リニューアルの様子をご紹介いたします。
もともとスタッフが使っていたプフはこちら。

革らしい素直なカラーで、部屋なじみが良く、お手持ちの家具と合わせやすいのがいいところ。
ややオレンジ味があるので、ホワイトなど淡い色で揃えているお部屋だと、差し色としても活用できます。
このキャメルが、夏の大雨の翌日に、シミだらけになってしまったんだそう。

シミを発見した時は、雨上がりかつ、別の革製品を上に重ねていたそうです。
滴りそうな夏の湿気によるものなのか、その革製品のコーティングオイルが移ったのか、
はたまたそのどちらもなのか、はっきりした原因はいまだ不明です。
それでもシミははっきりとそこに存在しており、
もしかしたら乾くかもしれないと待ち続けたそうですが、
シミが消えることはありませんでした。
さて、その話を聞いたモロッコ出身のスタッフ・ヴィラルが意気揚々と持ってきたのは、
なんと食用の大豆油。
この油をシミの上からプフへ塗り、オイルコーティングをするんだそうです。
てっきり革専用のメンテナンスオイルを使うと思っていた私たちは仰天。
「大丈夫?」
「シミが余計に濃くならない?」
「仕上がりは綺麗になるの?」
口々にヴィラルに不安をぶつける私たち。
「大丈夫、モロッコではこれが普通だ」
ほ、本当に……?
モロッコから仕入れているバブーシュやプフは、もちろん専用の塗料やオイルを使用しています。
ですが、モロッコの人々が自分の家で使うプフの手入れは、食用油を使っているよう。
モロッコで長い歴史のあるプフ、たしかに、昔は革専用のオイルなんてものはなかったでしょう。
ヴィラルは、モロッコでプフやバブーシュ、高級ラグ「ベニワレン」を作っていた職人です。
シミだらけのまま使うより悪くなることはないだろうと、シミプフの主も腹を括ったようでした。


筆や布を使って、オイルを塗り拡げていく職人・ヴィラル。
オイルを塗ることで革の色はもちろん変わってしまいますが、
今後のシミの発生を予防することができます。
布で広範囲にざっと拭き上げるとワントーン濃くなる程度ですが、
筆で細かく重ね塗りすればさらに濃い色に変わります。

円の内側でにじんでいるのがシミです。
シミを消すだけなら、布でざっと拭き上げる程度で十分。
今回は、部屋の模様替えに合わせて少し濃い色にしたいというオーダーでしたので、
筆で塗ってもらいました。
塗り終えてから一晩陰干しし、最終調整を行って、
完成したプフがこちら!

どれがシミプフかわかりますか?
奥が「プフフ ブラウン」、手前右が「プフフ キャメル」
手前左のミディアムブラウンが、元キャメルのシミプフです。
陰干しの工程で、油が馴染んで少し明るい色に戻りました。
均一に塗ればフラットな色調にすることも可能ですが、
今回は革らしさを出すため、マス目ごとに少しムラを出してもらいました。
並べると色の違いがわかりやすいですね。



なんだか焼き立てのパンみたいでいい感じ!
食用油を持ってきたときは本当に驚きましたが、シミはすっかり消え、別カラーを買い替えたかのように良い仕上がりになり、
プフの主はヴィラルに感謝が止まりません。
すっかり得意げなヴィラル。
モロッコの家庭の文化に触れ、微笑ましいひとときでした。
革自体はもともと長く使える素材。
シミができても使い心地は変わりません。
でも一度シミを見つけてしまうと、ついそこばかり見てしまうもの。
食用油でのお手入れはさすがに自己責任ですが、
思い切って色を変えてしまうというのは、気分転換になり良いかもしれませんね。
色を変える前提でいれば、いつシミができるかとビクビクして使用するより、のびのび楽しく使えそうです。
もしシミに困ったときは、検討してみてくださいね。
▼プフと合わせたカーテンはこちら
▼今回登場したプフ
ここまでお読みいただきありがとうございました!
次回もまたお楽しみに(*^^*)